飯田市の道祖神

 飯田市の道祖神をみると双体の道祖神が何体もある。双体といえば安曇野や松本平という印象は強いが、意外にも県下全域を見渡しても興味深い像がある。いや、長野県だけではない。新潟県や群馬県はもちろん、愛知県や鳥取県など多様な道祖神を見ることができる。

 飯田下伊那地方においては、個人の家で建てられているものが多い。したがって像容そのものには見るべきものは多いが、地域で建てられていないということから、信仰面では希薄である。お役者道祖神と呼ばれている上殿岡のものは、平澤家の庭に安置されている。下中村や松尾代田のものも個人所有のものである。1985年に風越高校郷土班が発行した「風越山 下伊那の道祖神」によると、全198体の道祖神のうち、双体のものが69体を占めており、約3体に1対は双体像ということになる。下中村のものは、寛政12年造立と銘文からわかるが、この時代のものは飯田下伊那地方では古い方になる。

 以下の写真は、いずれも昭和61年3月21日に撮影したものである。
■飯田市上殿岡

■飯田市下中村

■飯田市松尾

■飯田市松尾代田


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