梨久保の榑木踊り

 伊那谷におけるかけ踊り系の踊りは、次のようなものがある。 
天龍村坂部 かけ踊り 8/14
天竜村向方 かけ踊り 8/14(8/16)
天龍村大河内 かけ踊り8/14
天龍村平岡 太鼓踊り10/14・15
天龍村中井侍 太鼓踊り 11/23
阿南町和合 念仏踊り8/13〜16
泰阜村梨久保 榑木踊り 10/9
泰阜村温田 榑木踊り 8/22
旧上村下栗 かけ踊り 8/15
    
 以上は現在まで行われているもので、廃止されているものは他にもあった。また、期日については、1993年現在のもので、変更されているものもある。このうち、泰阜村梨久保の榑木踊りは、平成19年より中止という。

 梨久保の榑木踊りは、太鼓4・鉦2に笛が加わる。切子灯篭と柳を持って宿の家から午後7時ごろ出発し、池野社へ向かう。宿の庭では「宿踊り」といわれる踊りが行われるが、傾斜地ということもあって庭が狭いと激しくは踊れない。池野社の鳥居の前で「鳥居踊り」が踊られ、参道を進む。境内に入ると「お宮踊り」となる。柳や切子灯篭、池野社の旗などを中心にその周りを太鼓と鉦が踊りながら回る。中休みで舞台で飲んだ後、それまではしていなかった笠を被り「笠やぶき」を踊って終わる。

 かつては道中囃子をしながら田本や野尾までいったりして一夜を囃して踊りぬいたという。このこの地域で行われている盆踊りが夜を徹して踊られたように、もともとは盆踊りであったのではないかという印象がある。

 写真は、昭和61年10月9日に撮影したものである。

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