霜月祭り

 長野県の南部、遠山川に沿った谷を「遠山谷」という。天竜川の流れる伊那谷からは、伊那山脈を越えたところにあり、この谷へ入るには、かつて小川路峠越えの秋葉街道があった。交通手段が車に変わってからは、天竜川と遠山川が合流するあたりの平岡というところから谷をさかのぼるのが一般的であったが、後に赤石林道といわれる道路が開けられ、遠山谷が、伊那の谷からずいぶん近くなったという印象があったようである。その遠山谷も、この平成17年10月1日から飯田市に編入合併され、行政区域でいけば伊那の谷とつながったわけである。しかし、合併したとはいえ、遠山谷に変わりはなく、そこへの道は、今も険しいと思う人が多い。

 ここに紹介する霜月祭りの写真は、現在では祭りを中止している須沢というところの宇佐八幡神社で行われたものである。この須沢は、地すべりが発生して、集落の中心部がその被害を受けた。神社のすぐ西側の斜面が崩落しており、災害の影響で平成10年から祭りが行われていない。とくに集落が小さいということも、祭りの存続とともに、地域がどう存続していくか、先々の厳しさはある。
 昭和61年12月16日に撮影したものである。

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